事業の概要
外皮や内皮の厚い国内柑橘(特に八朔)は、剥皮する簡便性の悪さが一つの理由として消費の低迷を招いています。これらの問題を解決すべく、本事業では八朔・不知火(デコポン)などの晩柑類の外皮及び内皮を剥皮して「生食感覚で食べることができる柑橘デザート」の加工・販売を取り組みました。
柑橘類のシロップ漬けのパック商品や缶詰は幅広く流通していますが、本商品は市場で見かけることもなく、流通業者、消費者にとっても新しい商品です。しかも缶詰加工で使用される化学薬品を使用するのではなく、食品添加物の中の天然素材を使用した既存添加物であるプロトペクチナーゼIGA酵素で剥皮することで、消費者はスーパーなどで購入してそのまま食べられることが可能となります。
柑橘類の果実構造略図
プロトぺクチナーゼIGA酵素の特徴
プロトぺクチナーゼIGA酵素は塩酸などの化学薬品と違い、酵素反応で柑橘の内皮(アルベド・じょうのう膜)のみをピンポイントで溶かすので、実に傷がつかずドリップも出にくいため賞味期限が長く設定できることから量販店や食品スーパーなどにおいては取り扱いが非常に有利です。また、湯せん・シロップ漬けも行わないため、酸味・香りなど食味は手で剥いたものとかわらず、消費拡大を促す大きな要因になると考えられます。
作業工程
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缶詰加工
- 外皮の剥離
- 塩酸反応
- 水酸化ナトリウム反応
- 洗浄
- 缶詰
- シロップ漬
- 湯煎
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酵素剥皮
- 外皮の剥離
- 酵素反応
- 洗浄
- 調整(種の除去)
- パック詰
作業工程のメリット
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簡便性
内皮剥離しているので食べやすい。必要な量だけ食べれる(購入できる)
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食味
本来の柑橘の味、風味、食感を楽しめる。
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品質
傷がつかないのでドリップがでにくく、消費期限が長く設定できる。
各方面でのメリット
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生産地
消費者低迷が続いている晩柑類の消費拡大や低等階級品の新たな販売方法の確立により生産者の所得向上に貢献。
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需要者
低迷が続いている果物の販売に新しいジャンルを提供することで活性化に繋がる。
ファストフード、学校給食、老人ホームなど新たな需要にも期待できる。
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消費者
果物の摂取機会が増えることで栄養バランスのとれた食事や食育に貢献。